ウナギのように生きなさい

2011.06.18

これから英語を身につけようという志を持つ老若男女、すべての人に贈りたい言葉があります。それは「ウナギのように生きなさい」という、私の恩師、故・京都大学教授が、50年前にパリ大学に留学するために、フランスへ向けて出発する私に言ってくれたものです。その心は、「あなたは、知性と教養を身につけて、より魅力的な人間になるでしょう。魅力のあるもの、おいしいものの周りには、それを手に入れようと考えるものがたくさん集まってきます。けれども、誰の手にも捕まってはいけません。ウナギはとても美味ですが、ツルツルとしていて捕まえるのは難しい。あなたは、まさに、そのウナギのように生きてください」ということでした。さすがは、偉大なる哲学者(スコラ哲学の泰斗)。今思えばいろいろな意味を込めたすばらしい言葉なのですが、当時まだ若かった私は「遊び上手なフランス人男性に気をつけろ」と言われているのだと思ったものです。もちろんそのことも含めてなのでしょうけれど。しかし先生はきっと、1つの価値観に凝り固まっていてはいけないということを言いたかったのではないかと思います。日本の文化が一番だとか、フランスが最も精神性の高い国だと思い込んだり、アメリカの合理主義を必要以上に受け入れてしまったり。それらを認めるのは、もちろん大切なことですが、一番優れていると自分の中で決めつけて、他を見下していては、世の中にあるたくさんのすばらしいものに気づかなくなってしまいます。先生は私がそうなってしまうことを心配してくださったのでしょう。実際、フランスで暮らしていたときは、アメリカを物質文明の国、文化などない国だと思っていました。ただし、その後のアメリカでの生活で独自の文化を作ろうとしているアメリカを知って感心しました。このとき、先生はこのことを私に教えたかったのだと初めて悟ったのです。欧米の文化に惹かれすぎて日本の文化を卑下する人がいますが、日本にも海外の人々に誇れるすばらしい文化があるのですから、それらに対するプライドは捨てないでください。英語を学びつつも、日本文化、日本語の美しさも忘れないでほしいのです。みなさんが、自分の周りにあらゆる文化や知識を引き寄せながら、その1つだけにとらわれることのない「ウナギのような」国際人になってくれることを期待しています。

[参考サイトのご紹介]
100円オンライン英会話のぐんぐん英会話
http://www.gge.co.jp/