本当にイランの兵士や警察は、僕らをエスコートしてくれたのかもしれないと思った。ひとりの跳ねあがり兵士が金を要求したのは、ちょっとしたでき心だったのかもしれなかった。そんなことを考えながら車を降りると、そこに若いふたりの兵士が立っていた。僕らはそのふたりを無視するように歩き出したが、彼らはまるで“ダルマさんが転んだ”のゲームをやっているかのようについてくるのだ。僕らが足を停めると、彼らも停まる。ふたりの兵士を引き連れてターミナルのなかに入った。
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テヘランまでのバス切符は簡単に買えてしまった。距離は千キロを軽く超えるが、運賃は十万リェル、千四百円ほどである。出発まで二時間ほどの時間があった。僕らはターミナル内の食堂で昼食でもとろうと階段をあがると、ふたりの兵士も後からついてくる。食券を買い、テーブルに着き、鶏肉のスープをスプーンですくいながら周囲を眺めると、食堂の隅にふたりの兵士が立っていた。ザヘダンからの道で僕が抱いた薄気味悪さは現実のものになってしまった。監視だった。