科学者は一つの発見で一件落着したとは主張しない。しかし証拠は集積され、科学的疑問に対する答の確実性は高まっていく。法廷の科学は常に一件落着させなければならず、毎回ゼロから審理をやり直す一方で、前の評決は次の訴訟での強力な推定の根拠を提供する。しかし類似の訴訟でも評決は異なり得る。科学というものは決してそのようなものではないのに、法廷における科学は、確固たる結論を常に生み出すという点で自己矛盾している。法廷では、豊胸材が自分の結合組織病の原因だと主張するどの原告も陪審の評決を必要とし、評決は常に言い渡される。裁判の争点がすぐ前の原告に対して解決されても、その次の裁判の原告にはそうはいかない。関連を主張して裁判に出廷するどの女性に対しても、繰り返し同じ質問がなされなければならない。しかし、たとえそうだとしても、全くゼロからは議論されないものだ。前の評決は、その次の訴訟での強力な推定の根拠を提供する(技術的な理由で刑事訴訟の被告に対する陪審の評決はそうはいかない)。とはいえ、訴訟がいかに似通っていようとも評決は異なり得る。対照的に、科学者は一件落着したとは主張しない。彼らの発見は条件付きだ。たいていの場合、さらなる研究が必要だ。しかしどんな科学的疑問に対しても、集積された証拠の重みは答に向かって収斂する傾向がある。そしてついには、その答の確実性は、科学者の出した結論が一般に受け入れられるのを保証するほど大きいものになってゆく。
(参考)
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